保険治療でできる、前立腺肥大症のレーザー手術(PVP)
グリーンライトレーザー(PVP)治療の特徴
前立腺肥大症の治療レーザーであるグリーンライトレーザー(PVP)は、特殊なレーザー光線により短時間で、出血の少ない手術ができる治療法です。
これまで前立腺肥大症の場合、電気メスで腺腫を切除する手術(経尿道的前立腺切除術:TURP)が採用されてきました。
TURPは、出血量も多く、術後3日間は尿道カテーテルを入れ、1週間程度の入院が必要など、患者さんにとって負担の少なくないものでした。
しかし、グリーンライトレーザー(PVP)は、術後の痛みや出血が少ないだけでなく、高い治療効果を得ることができる治療法です。
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- 特徴1
- 術後の痛みがほとんどありません
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- 特徴2
- 術後、比較的早く尿の勢いが回復します
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- 特徴3
- 尿道カテーテルは、短期間で抜けます
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- 特徴4
- 術後の男性機能にほとんど影響しません
注意 以下のような場合には日帰りPVP手術は受けられません
- 愛知県外にお住いの場合(来院所要時間が1時間以上)
- 重篤な合併症があり、主治医から手術、麻酔の許可が得られない場合
- 手術時に抗血小板剤や抗凝固剤が休薬できない場合
- 術後1ヶ月程度定期受診ができない場合
まるやま泌尿器科クリニック 手術実績
光選択的前立腺レーザー蒸散術(PVP) | 263例 |
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※平成25年5月〜令和3年12月
そもそも前立腺肥大症(BPH)とは
55歳以上の5人に1人が悩む病気
前立腺肥大症に悩む人の数は、年齢を重ねるごとに増えていきます。統計によると、55歳以上の男性のうち2割…つまり、5人に1人に前立腺肥大症の症状があるとのことです。
前立腺がんではないことを、確認することが大切
場合によっては、治療せずに経過観察でよい病気ではありますが、前立腺がんと症状が似ているので、「前立腺がんではないこと」を知るためにも、症状が気になりだしたら、早めに受診するようにしましょう。
前立腺肥大症の症状
前立腺肥大症とは、肥大した前立腺が、尿道を圧迫することで生じる排尿障害(尿の切れが悪い、出にくい、頻尿)です。具体的な症状は、大きく分けて次の7つです。
前立腺肥大症の主な症状
- 排尿後、まだ尿が残っている感じがする(残尿感)
- 2時間に2回以上トイレに行くなど、トイレが近い(頻尿)
- 急に、尿意をもよおし、もれそうで我慢できない(尿意切迫感)
- 尿が途中で途切れてしまう(尿線途絶)
- 尿の勢いが弱い(尿勢低下)
- おなかに力を入れないと尿が出ない(腹圧排尿)
- 夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)
前立腺肥大症の治療方法
前立腺肥大症で一番大切なのは、前立腺がんとの区別です。
前立腺がんでないことがわかれば、症状の程度によって治療方法が変わります。
- 薬物療法
- 前立腺部の尿道の圧迫を緩(ゆる)める作用をもったα1ブロッカーと、肥大した前立腺を縮小させるアンチアンドロゲン薬と5α還元酵素阻害薬などを使って治療します。
また、漢方薬での治療も行っています。 - 手術療法
- 薬物療法で効果が十分に出ない場合や、症状が重い場合は手術になります。
一般的には、内視鏡と電気メスを用いた経尿道的前立腺切除術(TURP)が行われますが、当院では、日帰りででき、患者さんの負担が少ないグリーンライトレーザー(PVP)を使った治療を行います。